SC-300(Microsoft Identity and Access Administrator)の問題では、Microsoft Entraの機能名を知っているだけでは正解できません。誰のアクセスを、どの範囲で、どの程度の権限に制限するのかを読み取り、要件に合う機能や設定を選ぶ必要があります。
この記事では、SC-300の4つの出題分野から1問ずつ、合計4問を掲載しています。回答後は、正解だけでなく、選ばなかった選択肢が不正解となる理由も確認できます。
掲載しているのはSC-300の学習用に作成した本番形式の練習問題です。Microsoft認定試験で実際に出題された問題を転載したものではありません。
この記事でできること
- SC-300の無料練習問題を4問解く
- 4つの出題分野で問われる判断を体験する
- すべての選択肢について正解・不正解の理由を比較する
- SC-300問題集を選ぶ基準を確認する
- Cloud Passの無料10問へ進む
SC-300の試験範囲と問題の特徴
Microsoftの公式学習ガイドでは、2026年4月27日から適用されるSC-300の試験範囲を、次の4分野に分けています。
| 出題分野 | 比率 | 主な内容 |
|---|---|---|
| ユーザーIDの実装と管理 | 20〜25% | ユーザー、グループ、外部ID、ハイブリッドID |
| 認証とアクセス管理の実装 | 25〜30% | 認証方法、条件付きアクセス、ID Protection、Global Secure Access |
| ワークロードIDの計画と実装 | 20〜25% | アプリ登録、サービスプリンシパル、マネージドID、APIアクセス許可 |
| IDガバナンスの計画と自動化 | 20〜25% | エンタイトルメント管理、アクセスレビュー、PIM、監視 |
SC-300認定ページでは、試験時間は100分、合格基準は1,000点満点中700点以上と案内されています。日本語での受験も可能です。
4分野の比率に大きな差はありません。そのため、認証や条件付きアクセスだけに偏らず、ユーザーIDの作成から、アプリへの権限付与、アクセスの定期的な見直しまでを一連の流れとして理解する必要があります。
SC-300の問題では、特に次のような判断が求められます。
- テナント全体ではなく、特定の部門だけに管理を委任する方法
- 必要な操作だけを許可する最小権限のロール
- ユーザー同意と管理者同意の使い分け
- アプリ登録、サービスプリンシパル、マネージドIDの違い
- アクセスレビューやPIMで、権限を継続的に管理する方法
問題文にある「最初に」「最小権限」「自動的に」「特定のユーザーだけ」といった条件を見落とさないことが重要です。
Microsoft Learnの練習評価と問題集の使い分け
Microsoft Learnでは、対象試験の理解度を確認できる無料の練習評価が提供されています。公式の用語や出題範囲を確認するうえで、最初に利用したい学習手段です。
ただし、Microsoftは練習評価について、本番試験と同じ問題を収録したものではなく、トレーニングや実務経験の代わりにはならないと説明しています。公式の練習評価だけを繰り返して答えを覚えるのではなく、別の管理シナリオでも同じ知識を使えるか確認してください。
おすすめの使い分けは次のとおりです。
- Microsoft Learnで現在の試験範囲と製品名を確認する
- 公式の練習評価で問題の表現に慣れる
- 問題集で初見のシナリオを増やす
- すべての選択肢を比較し、除外した根拠を説明する
- 100分の模擬試験で時間配分と弱点を確認する
SC-300無料練習問題4問の解き方
次の4問は、Cloud Passで提供しているSC-300 v2問題から、各出題分野を1問ずつ選んだものです。
回答するときは、サービス名を先に思い出そうとするのではなく、次の順番で条件を整理してください。
- 管理対象がユーザー、アプリ、Azureリソースのどれかを確認する
- 必要な操作が読み取り、管理、同意、自動削除のどれかを確認する
- 適用範囲がテナント全体か、一部の対象だけかを確認する
- 「最小権限」「最初に行うこと」などの制約を確認する
- 回答後に、ほかの選択肢が使われる場面も確認する
正解した問題でも、残りの選択肢を除外した理由が曖昧なら解説を読んでください。SC-300では、似た機能の境界を説明できることが、初見問題への対応力につながります。
SC-300 無料練習問題
ID・アクセス管理の4分野を解いてみる
回答後は、選ばなかった選択肢を含め、正解・不正解となる理由をすべて確認できます。
第1分野 · ユーザーIDの実装と管理(20〜25%)
練習問題1:部門単位で管理を委任する
会社のMicrosoft EntraテナントにUser1というユーザーがいます。会社にはマーケティング部門と財務部門があります。User1に、マーケティング部門のユーザーだけを管理できる権限を付与する必要があります。最初に何を作成する必要がありますか?
第2分野 · 認証とアクセス管理の実装(25〜30%)
練習問題2:Key Vaultの最小権限を選ぶ
AzureサブスクリプションにUser1というユーザーと、Vault1というAzure Key Vaultがあります。User1がVault1に保存されている証明書、キー、シークレットのメタデータを読み取れるようにする必要があります。最小権限の原則に従う場合、どのロールを割り当てますか?
第3分野 · ワークロードIDの計画と実装(20〜25%)
練習問題3:ユーザー同意を特定の権限に限定する
ユーザーがエンタープライズアプリケーションに自分のプロファイルへのアクセスを許可できるようにします。ただし、ユーザーが同意できる委任されたアクセス許可は、User.Readとprofileだけに限定する必要があります。最初に何を構成しますか?
第4分野 · IDガバナンスの計画と自動化(20〜25%)
練習問題4:アクセスレビュー後の処理を自動化する
Microsoft 365グループの所有者が6か月ごとにゲストユーザーのアクセスを確認するReview1を作成しました。所有者がメンバーシップをレビューしなかった場合、ゲストユーザーが自動的に削除されるようにする必要があります。Review1のどの設定を構成しますか?

SC-300問題演習 · 無料10問・全381問・模擬試験3セット
4問の続きは、アプリの無料10問で確認
Cloud PassにはSC-300の本番形式の問題を381問、50問・100分の模擬試験を3セット収録しています。すべての選択肢の理由を確認し、分からない点はその問題を見ているAIチューターに質問できます。
練習問題1のポイント:管理単位で委任範囲を限定する
1問目では、マーケティング部門のユーザーだけを管理できるようにする方法を判断します。
Microsoft Entraの管理単位は、ユーザー、グループ、デバイスをまとめ、ディレクトリロールの適用範囲をその単位内に限定するための機能です。マーケティング部門用の管理単位を作成し、対象ユーザーを追加してから、User1へ管理単位をスコープとするロールを割り当てます。
似た名前の機能でも、管理対象が異なります。
| 機能 | 管理する対象 | この問題での判断 |
|---|---|---|
| 管理単位 | Microsoft Entraのユーザー、グループ、デバイス | 部門単位の管理委任に合う |
| Microsoft 365グループ | 共同作業のメンバーとリソース | ディレクトリロールの境界にはならない |
| 管理グループ | Azureサブスクリプション | Azure PolicyやRBACを階層的に適用する |
| リソースグループ | Azureリソース | Microsoft Entraユーザーは対象外 |
SC-300では「管理」という言葉だけで選ばず、管理するオブジェクトがディレクトリIDかAzureリソースかを最初に分けてください。
練習問題2のポイント:メタデータと値を区別する
2問目は、Azure Key Vaultにあるキー、シークレット、証明書のメタデータを読むための最小権限を問う問題です。
Key Vault Readerは、各オブジェクトのプロパティやメタデータを参照できますが、シークレット値の取得やキーを使った暗号化操作は許可しません。このため、3種類のオブジェクトを確認しつつ、権限を読み取りに限定する要件に合います。
最小権限の問題では、次の3点を分けて確認します。
- 対象:キー、シークレット、証明書のどれか
- 操作:メタデータの参照、値の取得、暗号化、管理のどれか
- 範囲:Key Vault全体か、特定のリソースだけか
「読む」という表現だけでSecrets Userを選ぶと、メタデータではなくシークレット値まで取得できる過剰な権限になります。問題文の名詞だけでなく、操作の深さまで確認してください。
練習問題3のポイント:アクセス許可を分類してユーザー同意を制御する
3問目では、ユーザーが同意できる委任されたアクセス許可をUser.Readとprofileだけに限定します。
まず、許可するアクセス許可をアクセス許可の分類で低影響として定義します。その後、ユーザー同意設定で、低影響に分類されたアクセス許可だけにユーザーが同意できるよう構成します。
この問題では、ユーザー同意と管理者同意を混同しないことが重要です。
| 設定 | 主な目的 |
|---|---|
| アクセス許可の分類 | 委任されたアクセス許可を影響度で分類する |
| ユーザー同意設定 | ユーザーが同意できるアプリと権限を制御する |
| 管理者の同意設定 | 管理者同意や同意ワークフローを管理する |
| Identity Protection | ユーザーとサインインのリスクを検出する |
「最初に何を構成するか」と問われているため、同意ポリシーの前提となるアクセス許可の分類を選びます。SC-300では、正しい機能だけでなく、設定する順序も判断材料になります。
練習問題4のポイント:レビュー完了後の処理を設定する
4問目では、グループ所有者がアクセスレビューに応答しなかった場合でも、ゲストユーザーを自動的に削除する必要があります。
アクセスレビューでは、レビューの対象と担当者を決めるだけでなく、終了後に結果をどう扱うかも構成できます。完了時の設定で結果を自動適用し、レビューされなかったユーザーのアクセスを削除するよう指定します。
設定を役割ごとに整理すると、迷いにくくなります。
- レビュー担当者:誰がレビューするか
- 全般:何を対象に、どの頻度で実行するか
- 詳細設定:通知、理由、推奨事項などをどう扱うか
- 完了時の設定:レビュー結果と未回答時の処理をどう適用するか
IDガバナンスでは、権限を付与する時点だけでなく、不要になったアクセスを確実に回収できるかが重要です。「自動的に削除」という結果に注目し、完了後の処理を選びます。
SC-300問題集を選ぶ5つの基準
1. 現在のMicrosoft Entraの名称と画面に対応している
古い教材では、Microsoft Entra IDがAzure Active Directory(Azure AD)と記載されています。サービス自体は同じ系統ですが、現在の試験ではMicrosoft Entraの製品名と管理画面を基準に学ぶ必要があります。
問題集の発行日だけでなく、最新の公式学習ガイドに照らして内容が更新されているか確認してください。
2. 4つの出題分野を網羅している
条件付きアクセスやMFAだけでは、SC-300全体を準備できません。ユーザーID、ワークロードID、IDガバナンスを含む4分野の問題があり、分野別の正答率を確認できる教材が適しています。
3. すべての選択肢に解説がある
正解の説明だけでは、似た機能の違いを整理できません。不正解の選択肢についても「どの要件なら使うのか」「なぜ今回の条件には合わないのか」が説明されていることが重要です。
4. 設定の目的と順序を問う問題がある
SC-300では、「最初に何を行うか」「次に何を構成するか」を問われることがあります。単語を答えるだけでなく、設定の前提関係や運用フローを確認できる問題集を選びましょう。
5. 100分の模擬試験で仕上げられる
本番前は、解説を見ずに100分間の模擬試験を受けてください。長いシナリオを読み、迷った問題を後で見直す時間を残せるか確認します。
Cloud PassのSC-300問題集
Cloud Passには、SC-300の本番形式の問題を381問、模擬試験を3セット収録しています。最初の10問は無料で確認できます。
| 学習機能 | SC-300でできること |
|---|---|
| 分野別問題演習 | 4つの出題分野から弱点を重点的に学習 |
| 選択肢別解説 | 正解とすべての不正解選択肢の理由を比較 |
| AIチューター | 表示中の問題について、その場で追加質問 |
| 模擬試験 | 50問・100分のセットで時間配分を確認 |
| 学習分析 | 分野別正答率、解答数、学習履歴を確認 |
学習は次の順番で進めると効率的です。
- 無料10問を解き、シナリオと解説の内容を確認する
- 4分野を一巡し、正答率が低い分野を特定する
- 間違えた問題は、すべての選択肢の用途を比較する
- 分からない点は、その問題を表示したままAIチューターへ質問する
- 最後に50問・100分の模擬試験を受ける
SC-300練習問題に関するよくある質問
SC-300の実際の試験問題を収録していますか?
この記事とCloud Passに掲載しているのは、試験範囲に沿って学習用に作成した本番形式の練習問題です。Microsoft認定試験で実際に出題された問題の転載や再現ではありません。
暗記することが目的ではなく、初めて見る要件から適切なMicrosoft Entraの機能を選べるようになることを重視しています。
SC-300は何問解けば合格できますか?
必要な問題数は、Microsoft Entraの実務経験によって異なります。問題数だけを目標にせず、4分野すべてで、正解の根拠とほかの選択肢を除外した理由を説明できるか確認してください。
同じ問題を繰り返して正答率が上がった場合は、まだ解いていない問題で理解度を測ります。
SC-300は日本語で受験できますか?
はい、日本語で受験できます。ただし、英語版の更新後にローカライズ版が更新される場合があります。申込前にMicrosoftの認定ページで、対応言語と最新の試験範囲を確認してください。
SC-900に合格してから受験する必要がありますか?
SC-900はSC-300の前提資格ではありません。Microsoftのセキュリティ、コンプライアンス、IDを初めて学ぶ場合は、SC-900の範囲から始めると全体像を整理しやすくなります。
すでにMicrosoft Entra IDの運用経験があり、IDとアクセス管理を専門的に学びたい場合は、SC-300から受験しても問題ありません。
Azure ADとMicrosoft Entra IDは別のサービスですか?
Microsoft Entra IDは、旧Azure Active Directory(Azure AD)の現在の名称です。古い教材ではAzure ADと書かれている場合がありますが、学習では現在の製品名と最新の管理画面を基準にしてください。
まとめ
SC-300では、製品名の暗記よりも、対象、操作、適用範囲、最小権限を読み分ける力が重要です。
まずはこの記事の4問で、ユーザーID、認証とアクセス、ワークロードID、IDガバナンスの判断を確認してください。解説を読むときは、正解だけでなく、残りの選択肢がどの場面で使われるかまで整理します。
4問を解き終えたら、Cloud Passの無料10問で別のシナリオに進み、初見問題でも同じ考え方を使えるか確認してみてください。
公式情報

SC-300問題演習 · 無料10問・全381問・模擬試験3セット
4問の続きは、アプリの無料10問で確認
Cloud PassにはSC-300の本番形式の問題を381問、50問・100分の模擬試験を3セット収録しています。すべての選択肢の理由を確認し、分からない点はその問題を見ているAIチューターに質問できます。



