AZ-900(Microsoft Azure Fundamentals)は、Azureやクラウドを初めて学ぶ人でも目指しやすい基礎レベルの認定資格です。ただし、サービス名と説明を暗記するだけでは、よく似た選択肢を正しく区別できません。
効率よく勉強するには、公式範囲を確認する→短く基礎を学ぶ→その日のうちに問題を解く→弱点だけ学び直す→模擬試験で確認するという流れを繰り返します。参考書やMicrosoft Learnをすべて終えてから、問題演習を始める必要はありません。
この記事では、経験別の勉強時間と、1週間・2週間・4週間でAZ-900対策を進める方法を具体的に解説します。
先に結論
- IT・クラウド未経験なら30〜50時間、IT経験者なら20〜30時間を目安にする
- Microsoft Learnや参考書を最後まで終える前に、1週目から問題を解く
- 3つの出題分野を一巡した後、正答率が低い分野へ時間を集中させる
- 正解した問題でも、ほかの選択肢を除外した理由が曖昧なら復習する
- 仕上げは、まだ解いていない問題を使った45分の模擬試験で確認する
MicrosoftはAZ-900合格に必要な標準勉強時間を公表していません。この記事で示す時間はCloud Pass編集部が学習計画を立てるために設定した目安です。最初の問題演習と模擬試験の結果に合わせて調整してください。
AZ-900の勉強時間はどのくらい?
必要な勉強時間はAzureの経験だけでなく、サーバー、ネットワーク、ストレージ、データベース、認証といったIT用語に慣れているかでも変わります。
| 現在の経験 | 勉強時間の目安 | 学習期間の目安 |
|---|---|---|
| IT・クラウドともに未経験 | 30〜50時間 | 4〜6週間 |
| ITの基礎はあるがAzure未経験 | 20〜30時間 | 2〜4週間 |
| Azureを業務や学習で利用した経験がある | 10〜15時間 | 1〜2週間 |
この時間には、教材を読む時間だけでなく、問題演習、全選択肢の解説の確認、模擬試験、弱点の復習を含めます。
同じ学習時間でも、問題を解かずに教材だけを読む場合と、毎日問題を解いて弱点を修正する場合では準備状況が異なります。勉強した時間の長さだけでなく、初めて見る問題で判断できるかを確認してください。
AZ-900の体感難易度と合格点を先に知りたい方は、AZ-900の難易度を解説した記事も参照してください。
AZ-900で勉強する3つの出題分野
2026年7月20日付の公式学習ガイドでは、出題範囲が次の3分野に分かれています。
| 出題分野 | 比率 | 主に学ぶ内容 |
|---|---|---|
| クラウドの概念について説明する | 25〜30% | クラウドモデル、共同責任、IaaS・PaaS・SaaS、クラウドの利点 |
| Azureのアーキテクチャとサービスについて説明する | 35〜40% | リージョン、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ、ID、セキュリティ |
| Azureの管理とガバナンスについて説明する | 30〜35% | コスト、Azure Policy、リソースロック、管理ツール、Azure Monitor |
最も比率が高いのは「Azureのアーキテクチャとサービス」です。ただし、残り2分野も合わせると全体の半分以上を占めます。特定のサービスだけに偏らず、3分野を一度すべて学んだ後、苦手な範囲へ時間を多く使いましょう。
AZ-900の勉強方法は5ステップ
1. 公式学習ガイドで現在の範囲を確認する
最初にMicrosoft公式のAZ-900学習ガイドを開き、3つの出題分野と各項目を確認します。この段階ですべてを理解する必要はありません。
項目を次の3つに分けてください。
- 自分の言葉で説明できる
- 聞いたことはあるが説明できない
- 初めて見る
この分類だけでも、学習に使う時間の配分を決めやすくなります。試験範囲外の細かい構築手順へ時間を使うことも防げます。
2. 基礎教材を1つに絞る
基礎を学ぶ教材は、Microsoft Learn、参考書、動画講座などから1つ選びます。複数の教材を最初から並行すると、同じ内容を何度も学ぶことになり、問題演習へ進むのが遅れます。
無料で始めたい場合は、Microsoft LearnのAZ-900向けラーニングパスを中心にするとよいでしょう。日本語で、クラウドの概念、Azureのアーキテクチャとサービス、管理とガバナンスを順番に学べます。
3. 学んだ日に問題を解く
1つのテーマを学んだら、その日のうちに5〜10問解きます。最初は正答率を上げることより、学んだ用語が問題文でどのように問われるかを知ることが目的です。
復習は次の順番で行います。
- 問題文が求めているものを一言でまとめる
- 正解を決める条件を探す
- 正解の選択肢が条件を満たす理由を確認する
- ほかの選択肢が、どのような条件なら正解になるか確認する
- 理解できなかった範囲だけ教材へ戻る
AZ-900の問題を実際に解いて復習方法を確認したい方は、無料練習問題3問と全選択肢の解説を利用できます。
4. 分野別正答率から弱点を決める
3分野を一巡したら、勉強時間を均等に割り振る必要はありません。問題演習の結果から、正答率が低い分野と、正解しても最後まで迷った分野を特定します。
たとえばストレージ冗長性の問題を繰り返し間違えるなら、Azureサービス全体を読み直すのではなく、LRS・ZRS・GRS・GZRSの保存範囲とフェールオーバーの違いをまとめて学び直します。
5. 初見の模擬試験で仕上げる
基礎を一巡した時点で、1回目の模擬試験を受けます。知識が完成するまで待つ必要はありません。初回は合否を判断するためではなく、45分の解答ペースと分野別の弱点を見つけるために使います。
復習後は、前回とは異なる問題セットで改善を確認してください。同じ模擬試験を短期間に繰り返すと、答えや選択肢の位置を覚えたことで点数が上がり、実力を判断しにくくなります。
1週間・2週間・4週間の学習プラン
受験までの期間と現在の経験に合うプランを選んでください。ボタンを切り替えると、期間ごとの進め方を確認できます。
AZ-900 学習プラン
現在の経験に合う期間を選んでください
勉強時間は目安です。最初の問題演習の結果に合わせて延長・短縮してください。
おすすめの対象
IT・クラウドともに未経験の人
合計時間
30〜50時間
1日の目安
1日60〜90分
1週目
IT用語とクラウドの概念を学び、1日5〜10問で出題形式に慣れる。
2週目
Azureのアーキテクチャと主要サービスを用途別に整理する。
3週目
ID、セキュリティ、コスト、ガバナンス、監視を学び、分野別問題を解く。
4週目
初見の模擬試験を複数回受け、弱点と45分の時間配分を修正する。
4週間プランは未経験者向け
ITとクラウドのどちらも初めて学ぶ場合は、4週間を基本にします。1日60〜90分、週5〜6日を想定しています。IT用語から学ぶ必要がある場合は、各週を10日程度に延ばしてください。
| 週 | 学ぶ内容 | 問題演習 |
|---|---|---|
| 1週目 | IT用語、クラウドの概念、共同責任、IaaS・PaaS・SaaS | 1日5〜10問。用語と出題形式に慣れる |
| 2週目 | リージョン、リソース階層、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ | 1日10〜15問。似たサービスを比較する |
| 3週目 | Microsoft Entra ID、セキュリティ、コスト、ガバナンス、監視 | 1日15〜20問。3分野を混ぜて解く |
| 4週目 | 45分の模擬試験と弱点の復習 | 初見の模擬試験で改善を確認する |
1週目から少量の問題を解くことが重要です。最初の正答率が低くても問題ありません。教材を読んだ直後に問題を解くと、覚えるべき用語だけでなく、比較すべきサービスも分かります。
2週間プランはIT経験者向け
ネットワーク、ストレージ、データベースなどの基礎を理解している場合は、2週間程度に短縮できます。
前半はMicrosoft LearnでAzure固有のサービスと管理機能を学び、後半は問題演習と模擬試験に時間を使います。既存のIT知識だけで答えず、Azureが提供するマネージドサービスやガバナンス機能を優先して確認してください。
1週間プランはAzure経験者向け
Azureを日常的に利用し、最初の初見問題で安定して正解できる人向けです。初日に3分野を混ぜた問題を解き、普段の業務で触れない範囲だけを学び直します。
実務経験者でも、料金計算、Microsoft Purview、Azure Policy、リソースロック、Azure Advisor、Service Healthなどは見落としやすい範囲です。1週間で受験する場合も、少なくとも1回は初見の模擬試験を受けてください。

AZ-900学習プラン · 無料10問・全464問・模擬試験9セット
4週間プランを、今日の無料10問から始める
Cloud PassにはAZ-900の本番形式の問題を464問、模擬試験を9セット収録しています。すべての選択肢が正解・不正解となる理由を確認し、分からない点はその場でAIチューターに質問できます。
1日30分・60分・90分の学習ルーティン
毎日の勉強は、確保できる時間に合わせて「教材を読む時間」と「問題を解いて復習する時間」を先に決めておくと続けやすくなります。
| 使える時間 | 学習ルーティン |
|---|---|
| 30分 | Microsoft Learnや参考書を15分読み、5問解いて1〜2問を復習する |
| 60分 | 基礎教材を20分読み、10〜15問を解いて全選択肢を確認する |
| 90分 | 15〜20問を解き、弱点の学び直しと関連問題まで行う |
問題数は目安です。急いで20問を終えるより、10問について「なぜほかの選択肢ではないのか」を説明できる方が理解は深まります。
復習メモは3項目だけ残す
長いノートを作る必要はありません。間違えた問題ごとに次の3点だけ記録します。
- 正解を決めた条件
- 最後まで迷った選択肢との違い
- 同じ判断基準を使える別の場面
たとえば「変更と削除の両方を禁止するならReadOnlyロック。削除だけならCanNotDelete」のように、次の問題でも使える判断ルールとして残します。
Microsoft Learn・参考書・問題集の使い分け
Microsoft Learnは試験範囲の土台に使う
Microsoft Learnは無料で利用でき、公式の用語と現在の出題範囲に沿って学べます。初めてAzureを学ぶ人の基礎教材として適しています。
ただし、読むだけでは似た選択肢を比較する練習が不足することがあります。1つのモジュールを終えるたびに、その範囲の問題を解いてください。
参考書は全体像を一冊で整理するために使う
参考書は、試験範囲を日本語で順番に整理し、あとから必要な箇所へ戻りやすい点が利点です。複数冊を最初から読み比べる必要はありません。
選ぶときは次の点を確認してください。
- 現行のAZ-900出題範囲に対応している
- Microsoft Entra IDなど現在の名称が使われている
- 3つの出題分野を網羅している
- 章末問題や確認問題が含まれている
- 発行後の試験範囲変更に関する案内がある
問題集は判断力と弱点の確認に使う
問題集では、点数だけでなく、どの分野で、どのような理由で間違えたかを確認します。正解の説明だけでなく、不正解の選択肢がどのような用途で使われるかまで解説されている教材を選んでください。
問題数が少ないと、同じ問題の答えを覚えた段階で高得点が出ます。復習用とは別に、受験準備を判断するための初見問題を残せるかも確認しましょう。
すべての選択肢を確認する
AZ-900では、不正解の選択肢にも実在するAzureサービスや管理機能が並びます。
たとえば、コストの問題ではAzure Advisor、Azure Cost Management、Azure 料金計算ツールが同時に出ることがあります。どれもコストに関係しますが、利用中の環境へ改善案を出す、実際の支出を分析する、導入前の料金を見積もるという役割の違いがあります。
正解した問題でも、最後まで迷った選択肢は復習対象です。「なぜ正解か」だけでなく、「問題文のどの条件がほかの選択肢を除外するのか」を確認してください。
分からない点はAIチューターに質問する
解説を読んでも違いが分からない場合は、表示中の問題についてAIチューターへそのまま質問できます。
たとえば、リソースロックの問題なら次のように確認します。
質問
削除ロックでもリソースを守れるのに、なぜ読み取り専用ロックが必要なの?
AIチューターの回答例
削除ロック(CanNotDelete)は削除を防ぎますが、設定変更や更新は許可します。この問題では「削除」だけでなく「変更」も禁止する必要があるため、書き込み操作を防ぐ読み取り専用ロック(ReadOnly)が条件をすべて満たします。
答えだけでなく、「問題文のどの条件が決め手か」「迷った選択肢はどのような場合に正解になるか」まで聞くと、別の問題にも応用できます。
模擬試験はいつから始める?
3つの出題分野を一巡したら、最初の模擬試験を受けます。4週間プランなら3週目の後半から始めても構いません。
1回目は現在地を測る
初回の点数は気にせず、45分を意識して最後まで解けるか確認します。終了後は、分野別正答率と誤答の原因を確認してください。
誤答は次の3つに分けます。
- 用語やサービスを知らなかった
- 似たサービスの違いを整理できていなかった
- 問題文の条件を読み落とした
原因を分けると、基礎教材へ戻るべきか、比較表を作るべきか、問題演習を増やすべきか判断できます。
2回目以降は改善を確認する
前回と異なる問題セットを使い、弱い分野と時間配分が改善したか確認します。同じ問題をすぐに解き直すのは復習には有効ですが、受験準備の判定には向きません。
受験時期を判断する目安
Cloud Pass編集部では、次の状態を一つの目安としています。これはMicrosoftの公式合格基準ではありません。
- 初見の模擬試験で80%前後を安定して取れる
- 3分野のうち極端に正答率が低い分野がない
- 正解だけでなく、不正解の理由も説明できる
- 45分以内に解き終え、見直す時間を残せる
- 同じ問題の答えを暗記した結果ではない
AZ-900の合格点700は換算スコアであり、正答率70%を意味しません。模擬試験の正答率を本番の点数へ直接換算しないでください。
AZ-900の勉強でよくある失敗
参考書やMicrosoft Learnを終えるまで問題を解かない
知識が完成するのを待つと、問題文の読み方と選択肢の比較を練習する時間が不足します。最初の週から少量の問題を解き、学んだ知識がどのように問われるか確認してください。
サービス名と一文の説明だけを暗記する
「Azure Blob Storageはオブジェクトストレージ」と覚えるだけでは、Azure Filesやマネージドディスクとの違いを問われたときに判断できません。データ形式、アクセス方法、利用目的を比較してください。
教材を増やしすぎる
新しい教材へ変えるたびに、同じ基礎を最初から読むことになります。基礎教材は1つに絞り、問題演習で不足が見つかったときだけMicrosoft Learnや公式ドキュメントで補いましょう。
同じ模擬試験の点数だけを上げる
短期間に同じ問題を繰り返すと、選択肢の位置や答えを覚えてしまいます。復習後は別の問題セットを使い、似た内容を別の聞き方でも判断できるか確認してください。
出題比率が低い分野を後回しにしすぎる
比率の高い「Azureのアーキテクチャとサービス」は重要ですが、クラウドの概念や管理とガバナンスも合否に関わります。3分野を一巡してから、正答率に合わせて優先順位を調整してください。
よくある質問
Azure未経験でも4週間で合格できますか?
可能ですが、1日60〜90分を週5〜6日確保する想定です。最初の問題演習でIT用語の多くが分からない場合は、4週間にこだわらず6週間程度へ延ばしてください。
IT未経験者は何から勉強すればよいですか?
サーバー、ストレージ、データベース、ネットワークの役割と、パブリック・プライベート・ハイブリッドクラウドの違いから始めます。細かい構築手順より、「何をするための技術か」を説明できることを優先してください。
ハンズオンは必要ですか?
AZ-900では複雑な構築手順が中心ではないため、合格だけが目的なら必須ではありません。ただし、Azure portalでリソースグループや仮想マシン、ストレージアカウントを確認すると、サービス同士の関係をイメージしやすくなります。
Microsoft Learnだけで合格できますか?
Microsoft Learnで公式範囲の基礎を学べます。ただし、読み終えた後は初見問題を解き、すべての選択肢の違いを説明できるか確認してください。問題演習が不足していると感じたら、問題集や模擬試験を追加しましょう。
参考書は必要ですか?
必須ではありません。Microsoft Learnだけで基礎を学ぶこともできます。画面で長い文章を読むのが苦手な人や、試験範囲を一冊で見渡したい人には参考書が向いています。
過去問は公開されていますか?
Microsoftは公式の練習用評価を提供していますが、認定試験で実際に出題された問題をまとめた公式過去問集ではありません。現行の出題範囲に沿って作られた練習問題を使い、答えの暗記ではなく判断方法を身に付けてください。
まとめ:教材を終える前に、今日から問題を解く
AZ-900の勉強方法は、教材を最初から最後まで読むだけではありません。公式範囲を確認し、基礎を短く学び、同じ日に問題を解き、弱い分野だけを学び直す流れを繰り返します。
IT・クラウド未経験なら30〜50時間、IT経験者なら20〜30時間を一つの目安にしてください。ただし、勉強時間だけで受験準備が整ったかは判断できません。
今日の学習時間を決めたら、まずは無料10問を解き、知らなかった用語と最後まで迷った選択肢を一つずつ記録するところから始めましょう。
公式情報

AZ-900学習プラン · 無料10問・全464問・模擬試験9セット
4週間プランを、今日の無料10問から始める
Cloud PassにはAZ-900の本番形式の問題を464問、模擬試験を9セット収録しています。すべての選択肢が正解・不正解となる理由を確認し、分からない点はその場でAIチューターに質問できます。



